タレメーノ・カクの高校留年白書

高校ダブったらこうなるぞ!!

いま、留年の渦中にいる君たちはどう生きるか

当事者以外のだれもが、君の留年に興味を持っていない。クラスメイトも、元同級生も、親も、先生も。気にかけてくれる人の好意は素直に受け止めつつも、そこはやはり、自分の問題、自分だけしか取り組めない自分だけの問題。だれも君と同じようには考えてく…

卒業

卒業が見えてくるころにはある種の自信が芽生えるのではないだろうか。 留年してもその学校を四年で卒業するなんて技は、だれにでもできるものではないと思う。手前味噌であるし、嫌味でもあるだろうし、自惚れでもいいのだが、ぼくは辞めずに卒業した。 辞…

留年と音楽

留年していると、ダサい音楽は聴けない。 まず、なにをもってダサいとするか、そもそも音楽にダサさなどあるのか、この問いに関しては真面目に考えないでほしい。 「好きなの聴けばいいじゃん」そんなことはわかっています。 「まあ、いいたいことはわかるけ…

留年とファッション

一目も二目も置かれる留年生においてやはりその目は到底数え切れない、天文学的な数の視線の矢を浴びるわけだが、高校留年にまつわるいかなる話にも当事者にとってはこの状況が基本にある。 では、ファッションを紐解いてみよう。 ハイスクールに通うわけで…

留年と通学

自転車通学だったから、電車やバスなどで学校に通う留年者の心中はぼくにはわかりかねるのだけれど、さぞ、おツラいでしょうとは想像ができる。だって、逃げ場がない。その点、自転車はいい。自由だ。好きな道を通れるし、速度だって自分次第。が、自転車に…

留年と学費

世の大半の高校生が親の経済によって三年間の門を開け、そして閉めていく。 親が学費を出すのは当然であって、そこに理由も大義もあったものではない。親には迷惑云々……という家庭の事情もそれぞれだが、払ってもらえるならば払ってもらったほうがいいには決…

留年してから卒業まで先生方によくいわれたこと

・一年生の頃(二回目) 「辞めなかったんだから卒業しなさい」 「休むな。来るだけでいいから来なさい。また一年生やりたいのか」 「去年もここやったぞ」 「みんなの手本になれ」 「お前が率先しなさい」 「早退するな。来たんだから帰るな。また一年生や…

年下クラスメイトと打ち解けたころによく言われたこと

「ダブってる人ってとんでもない不良だと思ってたから、◯◯さんが初めて教室に入ってきた時拍子抜けしました」 「さすが、◯◯さん。年の功だね!」 「めっちゃヒゲ濃くって、もみあげなんかもめっちゃ太くて長くないと、ダブってるって雰囲気ないですね。◯◯さ…

留年と部活

運動部にしろ文化部にしろ、ハツラツとその活動に勤しむ生徒が留年をかましてしまうなどということはこれまでに聞いたことがない。日本列島のすみずみまで調査すれば一人や二人出てくるのかもしれないが、まあ稀有な存在だろう。 では、留年する人間というの…

留年と恋愛

十代も後半になれば誰かを好きになったり、恋人ができたり、ほしくなったりと、そういう出来事や思いが芽生えるのがごく自然なことなのは言うまでもないけれど、それは一般的な高校生と同じように、留年した高校生にとっても同じである。 留年の渦中にいると…

留年とアルバイト

アルバイト先に自分と同い歳の高校生がいる場合。 その職場の先輩なり社員なり店長なり、あるいは全員にあることをいわれる。一年を通して折に触れあるのだが、なかでも春が近づくにつれてその頻度は激しく上がり、全員に同じことを聞かれては答える。 「◯◯…

留年と昼食

弁当を持って行くという習慣はぼくにはなかった。コンビニでなにかを買って行くか、購買でパンでも買うか、学食で食べるか、ということになる。 留年し年下の中にひとり年上である人間にとって、クラスの皆と打ち解けていないうちはすべてが地獄の沙汰である…

留年した生徒の退学率あるいは卒業率

自分が体験したこととそれによって得たことしか話せず、なんの統計もなければ裏付けもなく、まして取材や調べ物など一切なしの文章を僕は書き連ねている。あてにするにしろ、あてにしないにしろ、好きにしてほしい。 僕が卒えた高校は県立の工業高校。時代は…

◯◯さん

いまさら書くまでもないが、留年し、その学校にとどまり年下とクラスメイトになれば教室は当然に気まずく、人間関係の構築など夢のまた夢。これは、それを経験すればだれしもが抱く素朴な感想だと思う。 たとえば、もう一度一年生をするとする(僕はこのパタ…

黒い春でも、それは春

中途半端な屈折、嘘に限りなく近い自殺願望、頭はもちろん良いわけではないが輝かしいほどに悪いわけでもなく、親や教師に、なにかの本で読んだ言葉を振りかざして、ひとりになれば自分の才能はなんだろうか、これなら、あれなら、だけれど、だけれどと、夢…

わざわざ見に来るアホもいる

休憩時間になっても当然話す人もいなければ、話しかけてくる人もいない。そしたらもうイヤホンを耳にねじ込み音楽でも聴くしかない。次の授業までの10分、これが永遠というやつか! と、いいたいほどに長く感じられる。 ぼくの席は廊下側ではなく反対の一番…

ジャージの色もちがう

二度目の高校一年生。 はじめての体育の授業。 グラウンドで体操隊形に広がる赤いジャージの中に緑がひとり。 留年している生徒は上空からヘリで見たって一目瞭然だ。 体育教師はひどく野蛮な人で、生活指導の責任者だという。春だというのにすでに肌は真っ…

視線の矢は全方位から体に

受験して、受かって、志望通りだったかどうかは別として、晴れて高校生になって、新しい制服を着て、ここにいるみんなと、この担任で、これから三年間どんな生活になるかななどと希望に満ち満ちている、はじめての朝のホームルームの中で、「昨日の入学式に…

同じ学校にとどまることを決め、そして登校する

留年の当事者の中でも、それぞれに決めた道というのがあると思う。決してみなおなじということはない。退学して働く。退学して働かない。休学をする。定時制や通信制に編入する。同じ学校にとどまる。学校に行くという道を選んだ人は、この春から環境が変わ…

誰かのせいや何かのせいに

留年に至ったことに対し、自業自得ということことは誰にいわれなくとも本人が一番わかっていることと思う。いかなる理由であってもだ。 だが、のっぴきならない事情というのも世の中にはある。それはクラスメイトに話せないことであるかもしれない、あるいは…

高校を留年していた著名人に

こんなことをわざわざ調べている暇があるのなら、本を読んだりしていてほしいとも思うのだけれど、これがなかなかどうして勇気をもらう。 現在国会議員の元俳優氏がそう。高校をダブっている。同じクラスの中学生が互いに殺し合う映画で氏が演じた役も留年し…

一報届けば休息すべし

留年が正式に決まってしまえば、ある意味でひと段落といえる。留年などしたくはないと回ってきたツケを必死に支払う生徒には申し訳ないが、支払えないのであればそれは当人の怠惰の結果なのであるから自業自得である。進級など許されない。 しかし、それでも…

身内

これはもう大騒ぎ。 身内から高校留年者あるいは中途退学者なんて人間を出してしまえば末代までの恥だと、若年ホームレスの誕生だと、これぐらいに大人らは考えている。田舎であればそれは顕著のように思うし、東京でもなかなかではなかろうか。これは大学を…

スクールカウンセラー

悩む生徒はスクールカウンセラーの先生に相談するといいらしい。だれがこんなことを言うのか。無責任極まりない。言論の自由とは、実に尊い。 この「カウンセリング」という言葉が当時の僕には引っかかる。なにや医療めいたものを感じずにはいらず、自分は十…

イジメに遭っていたのか、不良だったのか、いずれにしても血生臭い

とある漫画の話。 担任教師から留年しそうな不良生徒へ、警鐘を鳴らす場面がある。 「お前、このままじゃ卒業できんぞ。ただでさえ成績悪いのに身上書にまでキズ付けて、そんなにココ(学校)が好きか、お前? 後輩にクン付けで呼ばれる覚悟はしとるのか?」…

体調の問題

ぼくの体はいたって健康だった。 病気や怪我などの治療のために休学を余儀なくされ留年に至ってしまった人からすれば、なんて贅沢な頭の悪い野郎だと思うだろう(これはぼく自身、当時も現在も認めている)。この療養でというパターンは、偏差値の比較的高め…

志望校であったか否か

推薦入試で合格した。ぼくはその公立高校へ入学することになる。 試験は面接と作文。一般入試であったとしても、その高校はぼくにとって不安になるような偏差値を求めてはいないらしかった。進学校ではない。工業高校だ。 県内にあるすべての工業高校の中で…

留年とは

日の出に夢を見、希望に満ち溢れているような方、そのままで結構でございます。新春のお慶び申し上げ、ぼくはこれで貴方様の前からお暇させていただきます。 年なんか明けてくれるなと思っている、暗い青春の只中をさまよう高校生諸君に告ぐ。明けましておめ…