留年してから卒業まで先生方によくいわれたこと
・一年生の頃(二回目)
「辞めなかったんだから卒業しなさい」
「休むな。来るだけでいいから来なさい。また一年生やりたいのか」
「去年もここやったぞ」
「みんなの手本になれ」
「お前が率先しなさい」
「早退するな。来たんだから帰るな。また一年生やりたいのか」
「先輩らしくしろ」
「課題をサボるな。帰らなかったんだからちゃんとやれ。また一年生やりたいのか」
「さすがセンパイ」
・二年生の頃
「修学旅行行きたいだろう?」
「お前の元同級生は卒業するんだぞ」
「違和感なくなったな。馴染んでるよ」
「十八歳はもう青年だぞ」
「就職にしろ進学にしろ、今年中に決めないと。また二年生やりたいのか」
「さすがセンパイ」
・三年生の頃
「ちょっと老けた一年生がいると思ったらなんだお前か。ジャージの色が同じだからまちがえた」
「お前の元同級生は社会人だぞ」
「お前の元同級生は大学生だぞ」
「十九歳はもう大人だぞ」
「留年しても辞めずに来て卒業できそうなのに、就職も進学もしないなんてお前どうかしてる。もう一回三年生やるか?」
「今年で二十歳か。そうか。センパイ、選挙行けよ」
「なにお前、まだいたの?」(卒業式当日の朝、体育館入場前にて)