タレメーノ・カクの高校留年白書&元芸人社会へ出る

笑われて、笑わせて、笑わせられず、笑う暮らし

カソウのひと

 預金残高の底が白くなっている。外へ出て労働しなければならない。もういっそのこと蟹工船に乗ってさらなる絶望を見てみたいものである。

 

 仮想通貨のみで生活する女の人と知り合ったことがある。いまはもう疎遠なのだけれど、彼女がぼくに話すことはすべてそのテの話だった。金を持たない人間から金をひっぱろうとしているのか、ずっとその観念はぬぐえなかった。お互いにアホであることはまちがいない。

 

 顔が可愛く、体が可愛かった。はじめて二人で飲んだ時、これは完全に美人局だろうと確信めくほど展開が妖しく、あれよあれよ。——結局、ぼくは怖い男に出会わなかったし、金を減らすこともなかった。アパのポイントが増えて喜ぶ彼女の笑顔があっただけだ。

 

 彼女にいまさら会いたいと思うのだけれど、それはやはり残高のせいか。働けという話にはちがいないだろうが、お互いに独身だったのだし、いまもこちらはそうなんだしというわけ。ああ、そうか、結婚したのかなと考えてみる。いや、社会復帰したのかなと想像してみる。ある日突然LINEから消えた彼女はいづこへ。

 

 ところで、こんなことを書いている暇があるなら稼げという話を自分に投げかけたい。毎日読書とランニングばかりで、社会復帰せえよ。さもなくば火葬の日は近い。